外貨預金の利息と為替差益の税区分、円転や外貨使用で利益が実現するタイミング、為替差損の扱いを解説します。
外貨預金では、預金利息と為替変動による利益を分けて考えます。国内金融機関の外貨預金の利息は、一般に利子所得として源泉分離課税されます。一方、外貨を円へ交換したときなどに生じる為替差益は、個人の場合、原則として雑所得(その他)となり、給与など他の所得と合算する総合課税の対象です。金融機関が為替差益の税額まで自動精算するとは限りません。
為替差益は、外貨を取得した時の円換算額と、円転・使用などをした時の円換算額との差を基本に計算します。一例として、Aさんが1ドル100円の時に1万ドルを100万円で取得し、後に1ドル120円で全額を円へ戻した場合、手数料を考慮しない単純な為替差益は(120円−100円)×1万ドル=20万円です。これは仮例で、実際は取引ごとの適用レート、為替手数料、取得時期を記録して計算します。
同じ外国通貨のまま外貨預金を払い出し、引き続き同じ通貨で別の外貨預金へ預け入れる場合、国税庁の質疑事例では、外貨の保有状態に実質的な変化がないとして、その元本部分の為替差益をその時点で認識しない扱いが示されています。一方、外貨で商品を買う、別の通貨へ交換する、外貨建資産を購入する場合などは、外貨を使った時点の為替差損益を認識する可能性があります。
複数回に分けて同じ通貨を取得した場合は、取得価額の管理が必要です。預入時の取引報告、満期計算書、円転記録、送金記録を保存し、金融機関の年間取引明細だけで取得レートまで分かるかを確認します。為替差損は、同じ年の他の雑所得と損益通算できる場合がありますが、給与所得など他区分の所得から差し引けるわけではなく、翌年への繰越も原則できません。
給与所得者には、給与以外の所得が20万円以下なら所得税の確定申告が不要となる特例がありますが、適用条件があります。医療費控除などのため確定申告をする場合は、20万円以下の所得も申告へ含めます。また、所得税の申告が不要でも住民税の申告が必要となる場合があります。「為替差益20万円まで非課税」と理解するのは誤りです。
外貨預金の記事で締めに確認すべき固有点は、利息と為替差益を同じ課税方法で処理しないこと、そして円転以外の外貨使用でも利益が実現し得ることです。取得日・取得額・レート・手数料を通貨別に保存してください。同一通貨の預け替え、外貨での買い物、外貨建商品の購入は扱いが異なり得るため、取引内容を示して税務署や税理士へ確認しましょう。