遺族基礎年金と遺族厚生年金の違い、生計維持・子の年齢・受給順位など対象遺族の条件を整理します。
遺族年金は、国民年金または厚生年金の被保険者などが亡くなったとき、一定の要件を満たす遺族へ支給される公的年金です。主に遺族基礎年金と遺族厚生年金があり、亡くなった人の加入制度、保険料納付状況、遺族の続柄・年齢・生計維持関係で受給可否が決まります。民法上の法定相続人であれば全員受け取れる制度ではありません。
遺族基礎年金を受けられる遺族は、亡くなった人に生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」です。ここでいう子は、原則として18歳到達年度の末日まで、または一定の障害状態にある20歳未満の未婚の子です。子のいない配偶者は遺族基礎年金の対象ではありません。夫か妻かによる区別ではなく、要件を満たす子がいることがポイントです。
遺族厚生年金の対象となり得る遺族は、亡くなった人に生計を維持されていた配偶者、子、父母、孫、祖父母で、受給には順位があります。先順位の人が受給権を持つ場合、後順位の人は受け取れません。夫、父母、祖父母には年齢要件があり、子と孫にも年齢・婚姻要件があります。妻の年齢や子の有無によって有期給付となる場合、中高齢寡婦加算が関係する場合など、個別条件があります。
生計維持は、同居だけで判断されません。生計同一関係と所得要件を満たす必要があり、別居でも仕送りや健康保険の扶養などで認められる場合があります。反対に、親族で同居していても条件を満たさない可能性があります。戸籍、住民票、所得証明、送金記録など、関係を確認する書類が必要です。亡くなった人側にも、被保険者期間や保険料納付に関する要件があります。
一例として、35歳・年収500万円のAさんが厚生年金加入中に亡くなり、同じ生計の配偶者と10歳の子がいる場合、要件を満たせば遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方が関係します。ただし年収500万円だけでは年金額を正確に決められません。標準報酬、加入月数、保険料納付、家族状況などが必要です。この例は対象制度を整理する仮例で、受給や金額を保証しません。
年金額は、遺族基礎年金では年度ごとの基本額と子の加算、遺族厚生年金では原則として亡くなった人の報酬比例部分を基礎に計算します。短期要件では被保険者期間を300月とみなす場合があります。制度改正や年度改定があるため、古い金額表をそのまま使わず、死亡日と請求時点の日本年金機構の資料で確認します。遺族年金は原則非課税ですが、他の給付との併給調整が生じる場合があります。
遺族年金で最後に確認すべき固有点は、「相続順位」と「遺族年金の受給順位」は別であり、遺族基礎年金には原則として対象年齢の子が必要なことです。死亡届を出しただけで自動的に請求が完了するとは限りません。基礎年金番号、戸籍、加入記録、生計維持資料をそろえ、年金事務所で遺族基礎・遺族厚生の両方と未支給年金の有無を確認してください。