住民税が前年所得を基に計算され、給与から6月〜翌年5月に天引きされる仕組みを新社会人向けに解説します。
新社会人の給与明細を見て、「所得税は引かれているのに、住民税がない」と疑問に思う人がいます。個人住民税は、原則として前年1月から12月までの所得を基に、翌年度に課税される税金です。会社員の場合、自治体が税額を計算して勤務先へ通知し、通常は6月から翌年5月までの12回に分けて給与から差し引く「特別徴収」が行われます。所得税のように、その月の給与を基にその場で概算徴収する仕組みとは時期が異なります。
たとえば、Aさんが2026年4月に大学を卒業して就職し、2025年には課税対象となるアルバイト所得がほとんどなかったとします。2026年度の住民税は2025年の所得を基にするため、入社1年目には給与から住民税が引かれない、または少額となる可能性があります。その後、2026年中に会社員として給与を受け取ると、その所得を基にした住民税が2027年6月から天引きされます。これは時期を説明する一例であり、学生時代の収入やほかの所得があれば1年目から課税される場合があります。
2年目の6月に手取りが減ったように感じるのは、昇給の有無とは別に、前年所得に対する住民税の徴収が始まるためです。会社は通常、5月末までに自治体から受け取った特別徴収税額決定通知書に従って、6月給与から月割額を差し引きます。税額は前年所得だけでなく、所得控除や税額控除、住んでいる自治体などによって変わるため、単純に年収へ一定率を掛けただけでは一致しません。
退職や転職をした場合には、残りの住民税を最後の給与でまとめて徴収したり、自宅へ届く納付書で支払う普通徴収へ切り替わったりすることがあります。また、1月1日時点の住所地の自治体が課税を行う点も重要です。新社会人は、翌年6月から住民税が始まる可能性を前提に、初年度の手取りをすべて固定費へ充てないようにしておくと安心です。具体的な税額は勤務先から渡される通知書で確認し、不明点は住所地の市区町村へ問い合わせましょう。
給与明細だけでなく、勤務先から渡される住民税の特別徴収税額決定通知書も確認しましょう。そこには年税額と6月から翌年5月までの月割額が記載されています。前年にふるさと納税や医療費控除を申告した場合は、控除の反映を確認する資料にもなります。なお、住民税が発生する所得水準や非課税基準には自治体差や本人・扶養家族の条件が関係します。「前年に少し働いたから必ず課税」「新卒だから必ずゼロ」とは断定できません。