将来の給付を先に定めるDBと、掛金と運用結果で給付が決まるDCについて、運用責任や転職時の扱いを比較します。
企業年金には、大きく確定給付型と確定拠出型があります。確定給付企業年金はDB、確定拠出年金はDCと呼ばれます。名前が似ていますが、何が確定しているかが違います。DBは加入期間や給与などに基づく給付の算定方法をあらかじめ定める仕組みです。DCは拠出された掛金と運用益の合計を基に将来の給付額が決まります。
DBでは、事業主や企業年金基金などの実施主体が資産をまとめて管理・運用します。規約型と基金型があり、労使合意による年金規約に沿って運営されます。給付の算定方法が決まっているため、加入者は将来額を比較的見通しやすい一方、実際の受取額や受給条件は勤務先の規約で確認が必要です。会社の業績だけで即座に給付が変わるわけではありませんが、制度変更や終了時には法令と規約に基づく手続があります。
DCには企業型DCと個人型のiDeCoがあります。企業型DCは原則として事業主が掛金を拠出し、規約に定めがあれば加入者も拠出できる場合があります。加入者自身が提示された商品の中から運用先を選び、運用結果によって受取額が変わります。元本確保型商品でも、物価上昇や手数料を含めた実質価値には注意が必要です。投資信託には値下がりの可能性があります。
一例として、毎年30万円が20年間拠出された場合、掛金元本の合計は30万円×20年=600万円です。DCの給付原資はここへ運用損益を反映した額となり、600万円を上回ることも下回ることもあります。これは仕組みを示す仮例で、利回りや受取額を保証しません。DBでは同じように単純な掛金合計で個人の給付を判断せず、規約の算定式を確認します。
税制は、拠出時、運用時、受給時で整理します。DCの加入者掛金は条件に応じ所得控除の対象となり、運用益は制度内で非課税です。年金受取は公的年金等控除、一時金は退職所得控除の対象となります。DBも年金と一時金で税務上の扱いが異なる場合があります。受給時には他の退職金や公的年金との重なりが税額へ影響します。
DBとDCを比較する際の固有の締めは、会社名ではなく自分がどの制度に加入し、給付算定式または商品配分がどうなっているかを確認することです。DBは規約の受給条件、DCは運用商品・手数料・配分を見ます。転職時の資産移換が可能な制度もありますが、期限や移換先は異なります。給与明細、規約、残高通知をそろえ、公的年金とは別の上乗せ制度として把握しましょう。