給料日に先に貯蓄を分ける先取り貯蓄の基本と、家計を圧迫しない設定・見直し方法を解説します。
先取り貯蓄とは、収入が入った時点で決めた金額を貯蓄用口座などへ移し、残りで生活する方法です。月末に余った分を貯めようとすると、使える金額と貯める金額の境界が曖昧になります。先に分ければ、生活費として使える上限が見えやすくなるのが利点です。J-FLECも家計管理の基本として、収入から一定額を先に差し引き、残りで暮らす考え方を紹介しています。
大切なのは、最初から高すぎる目標を置かないことです。割合を一律に決める必要はありません。まず過去2、3か月の手取り収入から、家賃、光熱費、食費、通信費、返済、年払い費用の月割り額を引き、無理なく残せる範囲を探します。収入が不規則なら、最低収入を基準に固定額を小さく設定し、余裕のある月だけ追加する方が資金不足を防ぎやすくなります。
一例として、手取り月32万円のAさんが、毎月3万2,000円を給料日に別口座へ移すとします。生活に使える額は28万8,000円で、12か月続けた移動額は38万4,000円です。これは単純な計算例で、10%が誰にでも適切という意味でも、継続を保証するものでもありません。実際には税金の臨時納付、医療費、帰省費などを含めて設定します。
仕組みは、自動振替や勤務先の制度など、忘れにくい方法を選びます。ただし、普通預金の残高不足で家賃やカード代が引き落とせなくなっては逆効果です。生活口座には支払日までに必要な金額と小さな余裕を残しましょう。
3か月ほど運用したら、取り崩しが頻発していないか確認します。毎月戻しているなら設定額が高すぎる可能性があります。反対に余裕が続くなら少し増やせます。先取り貯蓄は根性ではなく、お金の置き場所を先に決める仕組みです。生活の変化に合わせて調整できる設定こそ、長く続けやすい方法です。
貯蓄先は目的別に分けると管理しやすくなります。近い将来の支払いは普通預金、急な収入減に備えるお金は別の預金口座、長期間使わない余裕資金はリスクを理解したうえで運用を検討する、と役割を明確にします。先取りした全額を値動きのある商品へ回す必要はありません。ボーナスや残業代を前提に固定額を高くすると、収入が減った月に不足します。基本額は通常月で続けられる水準に置き、臨時収入からの追加分は受取後に判断します。昇給、家賃変更、育休などがあれば、その都度設定を更新します。自動化した後も、残高と生活への負担を定期的に確認しましょう。